I'm all ears.

主に海外インディーズ音楽を紹介しています。最近は韓国Hip-Hopに傾倒気味。

【香港/ポップ】Serrini「菖蒲色歌」

相変わらずエモーショナルな曲を聴いています。

 


Serrini 《菖蒲色歌》(Official MV)

 

香港のアーティスト、Serriniの「菖蒲色歌」です。

歌詞は広東語と思われるのですが、如何せん何を歌っているのかも全くわからないまま、でも歌声に感情が乗っていて聴いていました。

言葉が全くわからないならわからないなりに想像できて、ローカル線に揺られながら聴きたいなとか、ローカル線に乗っているシチュエーションは都会で恋愛して身を引くことを選んでどこか田舎に旅立ってる設定とか、色々と想像が膨らみます。

 

さて、「菖蒲色歌」ですが、YouTubeの概要欄には親切にビハインドストーリーが書いてありました。

六日の菖蒲、十日の菊という日本語の記載があったのですが、どうやらこのことわざがタイトルの元になっているようです。
意味は、時機に遅れて役に立たないことのたとえ(故事ことわざ辞典より)。
菖蒲(あやめ)は五月五日の端午の節句に用いるもので、五月六日では間に合わず、菊は九月九日の重陽の節句に用いるもので、九月十日では間に合わないことから。

歌詞がわからないのですが、もう今更どうしようもできないことがテーマだとしたら、このことわざをタイトルにするセンスがオシャレですよね。

ちなみにMVは軽井沢で撮影したそうです。

 

 

Serriniについてもちょっと調べてみました。

と言っても情報を見つけるのが難しく、見つけたのも香港のニュースサイトの記事でGoogle翻訳しながら解読しました。
※記事も2014年と情報が古いため、知っている方がいたらご訂正ください。)

 

香港のインディペンデント系アーティストとして活動している彼女ですが、見た目を重視する音楽市場とは距離をとって(見た目重視で音楽的才能に注目されないアーティスト、見た目重視と判断されている消費者両方がいるという言い方をしていると解釈しています)、インディーズならではの楽曲のテーマの深さをファンと掘り下げ議論していく文化に重きを置いているそうです。

実際レコード会社でチェックが入ったり方向性について指示が入ったりするのが嫌で、2014年時に出していた2枚のアルバムも宅録しているのだそう。(「菖蒲色歌」が収録されている『Don't Text Him 』については不明)

 

最後に、Serriniの楽曲は詩や遊び心に溢れているとまとめられていたのですが、彼女香港中文大学の文学部卒で趣味は文学作品や日本の漫画を読むことだそうです。

「菖蒲色歌」のセンスはここから来ているんですね。

 

 

余談ですが、久しぶりにGmailを使ったら、相手のメールを読み取ってクリックひとつで返事ができるようになっていて驚きました。

美容室の予約のメールだったのですが、「大丈夫です」「その日は難しいです」とか選択肢が出てくるんですよね。

メールって簡潔なものだとはわかっているけど、簡潔さや伝わりやすさ、便利さばかりが先に出て、自分の言葉で伝える機会ってこれからもっと減っていくのかな。

そんなことを考えていたので、余計にこの「菖蒲色歌」に愛着が湧いたのかもしれません。
歌詞はわからないけど、タイトルだけでちょっと考えさせられる楽曲でした。